不妊症について

はじめに

不妊症とは、結婚後正常な夫婦生活があって、2年以上経ても妊娠しない場合の事をいいますが、もし1年たっても妊娠しなければ、早めに受診してください。できましたら、1周期(月経から次の月経まで)基礎体温を測定した後、月経中に受診してください。原則として以下の検査・治療をおこないます。

なお、当院では人工授精まで行っています。体外受精・顕微受精が必要な場合は他院を紹介させていただきます。

目次

基礎体温

一番大切な資料となります。長期用基礎体温表と婦人体温計(水銀計)を購入し、大変ですが毎日測定してください。起床時(できるだけ同じ時間に)起きる前に測定します。もし4時、5時に起きなければならなかったらその時点で測定してください。排卵できているか、子宮内膜が維持できているかがわかります。

ホルモン検査

血液検査です。生理中と高温期にとる検査があります。ホルモン状態が正常かどうかをチェックします。

超音波検査

卵の発育、子宮内膜の発育を定期的に経膣超音波でチェックします。

子宮癌検診

子宮の入り口に炎症があると精子の状態が悪くなり、不妊症の原因になります。炎症があるかどうかの経膣的な検査です。

クラミジア感染・膣炎のチェック

膣炎があると精子の状態が悪くなりますし、知らない間にクラミジア菌がお腹の中に感染していると卵管の状態が悪くなり、不妊症の原因になります。経膣的な検査であり、クラミジアについては血液検査もあります。

精液検査

不妊症の25%は男性因子(精子異常)といわれています。精液検査の必要となることがありますので、ご主人にもご了解を得ておいてください。30分で来院可能であれば、清潔な容器をお渡ししますので自宅で採集後、冷やさないようにして持参してください。結果は当日説明させていただきます。

相性検査(フーナーテスト)

子宮入り口から分泌される頚管粘液と精子との相性をみる検査です。相性が悪いと精子が子宮内へ入れません。前夜又は当日朝の夫婦生活後に来院していただき、経膣的に頚管粘液を調べます。

卵管通過性のチェック

通気検査(ルビンテスト)

当院にて可。
炭酸ガスを使用し、グラフから卵管が通っているかどうかをみる外来でできる簡単な検査です。通過性はわかりますが、通りやすさ、つまっている場所、子宮の中の情報はわかりません。当院にてさせていただきます。

子宮卵管造影法

当院にて不可。
子宮内に造影剤を注入し、X線写真をとることで卵管は通っているかどうか、どこがつまっているのか、子宮内は正常であるかがわかります。食物アレルギー、薬物アレルギー、喘息のある方は必ずお教えください。検査可能な病院を紹介させていただきます。

精神的要因

不妊の原因として精神的要因は大きなウェートを占めています。夫婦間に問題があったり、悩み事や仕事によるストレス、場合によっては不妊治療をしているというストレスが不妊の原因になっていることがあります。

不妊治療を受ける場合、まずは悩み事やストレスをなくし、精神的余裕をもって治療を受けることがベストです。不妊治療も治療開始後1年、1年半して妊娠できればいいというぐらいの気持ちで望まれる方が良いでしょう。

経験談ですが、原因不明の不妊症の方で、基礎体温表をつけるのがストレスになっていたので3ヶ月休みましょうと説明し、基礎体温表をやめたらすぐに妊娠された方がいらっしゃいました。精神的要因は大きいと思います。

排卵誘発剤

排卵誘発剤には内服薬と注射薬があります。個人差もありますが多胎妊娠のほとんどが注射薬によるものです。排卵誘発剤の種類は勿論当院にてその人に適したものを決めさせていただきますが、注射薬を使用しなくてはいけない場合でも超音波検査(モニター)、ホルモン血液検査をすることにより、多胎妊娠はある程度予防できます。

人工授精

当院で可。
精液の状態の悪い場合(精子減少症、精子運動率低下)、精子の子宮内上昇が妨げられる場合(相性検査が悪い場合)に施行します。外来で簡単にできる治療で、持参していただいた精液を注射器で直接子宮内に注入するものです。子宮内の精子数が増え妊娠率があがります。

体外受精

当院で不可。
卵管通過性不良の場合、乏精子症の場合などに施行します。卵巣を刺激し、20~30個の卵をつくり、経膣的に卵を採取し、精子を加え保温器の中で受精させ、数個の卵を子宮内に注射器で戻す治療です。現在妊娠率は、約20%と言われています。必要な場合は他院を紹介させていただきます。

顕微受精

当院で不可。
精子の状態が悪い場合や受精障害のある場合に施行します。卵と精子を採取し、顕微鏡を使用して卵に精子を注入させ、受精後子宮に卵を戻す治療です。必要な場合は、他院を紹介させていただきます。

腹腔鏡検査

当院で不可。
不妊治療をされ妊娠しない場合、腹腔鏡検査にてお腹の中を腹腔鏡で覗いたほうが良い場合があります。卵管の通過性の悪い場合や卵管が周りの組織とひっついて卵管の動きが悪くなっている場合は、腹腔鏡検査で卵管の通過性をよくしたり、周りとひっついている部分をはがし、卵管の動きを良くし妊娠率を上げることもできます。腹腔鏡検査の必要な場合は他院を紹介します。

AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査

AMHとは、抗ミューラー管ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの一種です。卵巣の中にある、これから育っていく卵胞(発育卵胞、前胞状卵胞)から分泌されるホルモンです。

原子卵胞(生まれつき卵巣の中にある、まだ育っていない卵胞)が少なくなってくると、AMHの値が低くなります。つまり、AMH値が高いとこれから育つ卵胞が、卵巣内にまだまだたくさんある状態。値が低いと、卵胞が少なくなってきている状態、ということです。卵巣機能の予備能を判断する目安となります。

AMH検査は一般に、「卵巣年齢を計る」と言われており、「卵巣の中にこれから育つ卵胞がどれくらい残っているか」を調べます。ご興味のある方は気軽にご受診下さい。

沢田レディースクリニック ホームページを見たとお伝えください TEL:072-267-5200
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