更年期症状

更年期症状

更年期症状としては大きく分けて以下の7項目があります。

月経異常

まずは月経周期が25日以下と短くなり、月経と月経の間に不正出血が認められ、なかなか出血が止まらないこともあります。その後、周期が徐々に長くなり月経が永久に停止します。これが閉経です。

自律神経失調症

女性ホルモン欠乏状態になるとほてり、冷え、のぼせ、発汗異常、動悸、不眠、頭痛、肩こりなどの自律神経失調症状が現れます。程度は個人差があり、1日に何回も訴える人からほとんど症状を訴えない方もおられます。

現在原因は不明ですが、更年期に入り女性ホルモン(エストロゲン)が低下すると、脳の視床下部にある自律神経中枢の調節機構が乱れるためだと考えられています。従ってホルモン補充治療がよく効きます。グラフのようにホルモン補充療法を開始して早ければ1週間で症状が改善され、3ヶ月もすればほとんどの症状が消えます。

精神神経症状

更年期症状と気づかれにくい症状として脱力感、無気力、イライラ感、集中力の欠如、不眠、不安感、抑鬱状態などがあります。更年期症状とは理解してもらえず、職場でのトラブルの原因となる症状です。また記憶力の低下、物忘れも女性ホルモンの低下で増悪します。一般に女性ホルモンは脳神経細胞の増殖や脳の血流を増加させると言われており、最近、痴呆に発展するアルツハイマー病と女性ホルモンの関係が注目されています。

アルツハイマー病では血液中にアミロイドP成分が増え、脳の血管にアミロイド蛋白が沈着します。グラフのようにホルモン補充療法により、血液中のアミロイドP成分が減少しアルツハイマー病にかかるのを抑え、アルツハイマー病にかからないように維持されているのがわかります。つまりホルモン補充療法は痴呆の予防にもなっています。

膣炎・膀胱炎

女性ホルモンがなくなると膣壁の潤いはなくなり、病的な菌が生えやすくなり老人性膣炎を起こし、不正出血やおりものも増え臭いも気になるようになります。膣壁の乾燥により性交痛を訴える方もいらっしゃいます。また膀胱粘膜も萎縮し膀胱炎にもなりやすくなり、尿道括約筋の力も弱くなり、尿失禁もおこしやすくなります。

皮膚症状

最近皮膚の老化に女性ホルモンが関係していることが明らかになってきました。若々しい皮膚を保つためには、皮膚の弾力を持たせるコラーゲンと肌のみずみずしさを保つヒアルロン酸が必要です。女性ホルモンはこのコラーゲンとヒアルロン酸を増やし、肌に潤いを与えます。

動脈硬化・脳血管障害

人間が常に健康であるためには血液の流れがよく、全ての臓器が若々しくあり続けることが必要です。しかし年齢とともに血管は老化し、動脈硬化をおこし、血液の流れが悪くなり、臓器に栄養がいかなくなります。閉経以降の女性の死亡原因は第1位が虚血心疾患、第2位が脳血管疾患と半数近くの方が血管の老化、動脈硬化に基づく病気で亡くなられています。

グラフは年齢別にみた心筋梗塞の発生率を男女で比較したものですが、男性に比べ女性では45才ごろまでは圧倒的に発生率が低いのが閉経すると心筋梗塞の発生率が急に上昇しているのがわかります。これは閉経すると女性ホルモンがなくなるため、高コレステロール血症になり、動脈硬化が増え、心筋梗塞になる率が高まるためです。

従ってホルモン補充療法をするとグラフのように心筋梗塞になる危険率は3分の1に抑えられます。また心筋梗塞だけではなく、動脈硬化に基づく物忘れ、記憶力の減退、ぼけなどの脳症状も予防できます。

骨粗鬆症

骨粗鬆症も更年期で注意が必要な病気です。骨が弱くなり大腿骨頸部骨折をおこすと車椅子の生活になったり、寝たきりの状態になります。グラフは年齢別にみた骨粗鬆症の発生頻度を、男女別にみたものです。

50歳代の女性の骨粗鬆症の派生頻度が、男性の70歳代の頻度とほぼ同じなのがわかります。つまり閉経により女性ホルモンがなくなると骨密度が急激に低下し、男性よりはやく骨粗鬆症になると考えられます。食事中のカルシウムが腸から吸収され、血液中にはいり、骨まで運ばれ、骨基質につき、骨が丈夫に保たれているのが、この骨基質のもとであるコラーゲンを作っている女性ホルモンがなくなることで、骨基質が作られなくなり、カルシウムが付着できず、骨は弱くなります。

従ってホルモン補充療法をすることで骨は丈夫に維持できるようになり、また女性ホルモンだけではなくビタミンD(活性型)をとることで、カルシウムの腸からの吸収が増し、カルシウムの骨への付着も増加しますし、ビタミンKをとることでカルシウムの骨への取り込みがよりいっそう盛んになります。グラフは骨塩量(骨密度)とホルモン補充療法(女性ホルモン)についてを示していますが、女性ホルモンの補充により骨塩量が上昇(改善)しているのがわかります。

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